コロナ禍の地方ITコミュニティ 〜#hiro_it 2020〜
こんばんは,#hiro_it運営のちーぽんです.「地方IT勉強会 Advent Calendar 2020 - Adventar」の記事として本記事を書くことになりました.今年も運営メンバーにお手伝い頂き,今年一年の#hiro_itについて振り返る機会を持つことが出来て非常にありがたい気持ちでいっぱいです.どうぞ時間の許す限り,本記事にお付き合い頂けますと幸いです.
#hiro_it に関するページ一覧
connpass:
昨年のAdventarのブログ:
Twitter: https://twitter.com/hiro_it_h
オープンチャット:
本記事の構成
①今年 #hiro_it として挑戦したこと by ちーぽん
②コロナにより生じた開催・進行における障害について by ちーぽん
③コロナになったことを逆手に取って挑戦しようとしたけど、出来なかったこと by オマガリさん
④地方のコミュニティとしての意義 by オマガリさん
⑤これからやりたいこと(コロナによる、やりたいことリストや優先順位の改変など) by オマガリさん
①今年 #hiro_it として挑戦したこと
昨年の記事では,運営メンバーで考えているやりたいことリストについてご紹介しました.その中から今年実現(またはそれに近いものに挑戦)したのは,下記3点です.
➢活動報告ブログ
➢学生の参加費無料化
➢YouTubeで中継
「活動報告ブログ」については,少しでも#hiro_itに興味を持っていただいた方に勉強会の様子が伝わるようにという思いと,すぐにでも実現できそうとの声を受け,2020年1月から書き始めました.毎月書くことはできていませんが,今後少し形を変えながらでも,このはてなブログを活用していければと思っています.
「学生の参加費無料化」については,新型コロナウイルスの影響でオンライン開催となったことにより,人が集まりやすい市内の会場を借りる費用が必要なくなったため,実現することができました.現在は,一般の方の参加費も無料としています.
「YouTubeで中継」については,オンライン化に伴い,発表の様子を録画した上で後日YouTubeにアップロードする形で2020年10月から実施しています.事前に登壇者の皆様に録画の可否を伺い,オープニングでは聴講者の皆様の発言が読み上げられることの説明をすることで,録画の了承を取っています.録画後も,限定公開で参加者の皆様にご確認頂き,その後で全体公開をしています.
②コロナにより生じた開催・進行における障害について
今年は新型コロナウイルスにより,勉強会の開催に関する判断や進行に関する議論が必要になりました.これまでは会場を借りて開催していました.開催判断については悩みましたが,3月までは会場をおさえていたことや現地での参加人数がそれほど多くなかったことから,現地開催を行う形になりました.3月の開催日前には既に,4月以降はオンライン開催とすることに決定していました.
3月の#hiro_itの勉強会後,次回のオンライン開催について運営メンバーで話し合いました.主な論点は下記2点です.
➢オンライン開催のツール
➢マイクとカメラの使用
「オンライン開催のツール」については,今まで現地に来られない方にはSkypeで参加して頂いていたことや,URLで誰でも機能の制限なく参加できることから,SkypeのMeet Nowに決まりました.もともとSkypeを使った参加方法があったので,オンライン開催の実施自体は苦労もなく可能でした.「マイクとカメラの使用」については,実際に参加しているという臨場感や活発なコミュニケーションのための使用を検討しましたが,通信量の問題を踏まえ,以下のようにしました.
➢発表中は基本的に発表者のみで参加者にはチャットやTwitterで反応してもらう
➢発表後はマイクをオンにして質問可能
➢クロージング後(勉強会閉会後)は,自由にマイクをオンにしてもらい,懇親会として交流を図る
結果として,進行もスムーズで活発な意見交換がなされるようになりました.
③オンライン開催をするときに考えたこと
オンライン開催には②でも書かれているように,現在はSkypeのMeet Nowを使用しています.しかし,最初にオンライン開催をすることになったときは,リッチなものにしてみたいと考えていました.例えば,ギフトやコメントを聴講者が発表者に送れて,聴講者はアバターとして参加できるSHOWROOM(https://www.showroom-live.com/)のような空間に出来ないかと考えたり,cluster(https://cluster.mu/)を使ってバーチャル空間上に豪華な会場を作って開催することを考えたりしていました.しかし調査してみると,複数人の発表者が入れ替わりながらスライドを使って発表する上で使いやすい既存のリッチなサービスやツールはなかなか見つからず,そのようなサービスが見つかっても参加者全員がある程度高いスペックの環境が必要になってしまい,”誰でも気軽に参加できる学生向けのITコミュニティ”である#hiro_itが使用するには難しいものばかりでした.
Skypeを使用している今も,”オンラインになってしまったこと”を考えるより,”オンラインだからこそ出来ること”を考えながら模索をしています.
ちなみに現在は,考え方も含めてSocial Distancing Communication Platform(https://rhizomatiks.com/sdc_platform/)に注目しています.
④地方コミュニティとしての意義
去年のAdvent Calendarに投稿した記事には,”イベントが都市部に集まりがち”,”地方と都市部で機会格差がある”,”身近で勉強会が開催されていればいい”という内容を掲載しました.しかしほとんどのイベントがオンラインになっている今,日本中どこに住んでいても簡単に参加できるようになったという意味で機会格差は無くなって平等になりました.
現在は地方コミュニティとしての意義はほとんど無くなっていると思います.さらに,この状態が今後どのようになっていくのかは全く予想できません.新型コロナウイルスの流行自体がどうなっていくか,日本社会が新型コロナウイルスの流行状況にどのように反応していくか,流行が落ち着いてもオンラインは続くのか,流行以前に戻るのか,予想するには変数が多すぎます.この中では地方コミュニティとしての意義を重視した新規のコミュニティを作ることは難しいですが,既存のコミュニティを終わらせてしまうことはとても悔しいです.#hiro_itとしては,今後どうなっていくか考えて試行錯誤をしながら楽しむことに重点を置いて,毎月の開催を存続させていこうと思います.
⑤これからやりたいこと
①にも書かれていますが,#hiro_itではやりたいことをリスト化しています.去年のリストから今年実現したことを除き,また新たにやりたいと考えていることを加えるとこのようになります.
➢ 他の地方ITコミュニティと合同開催
➢ 自然に囲まれた野外でLT大会
➢ 公式キャラクター作成
➢ グラフィックレコーディング
➢ 他大学への出張イベント
➢ サーバー貸し出し
➢ ステッカー作成
➢ 専用の参加応募ページ(ホームページ)の作成
➢ OriHime(遠隔参加支援システム)の使用
➢ 他イベントに出展
➢ 企業などからLTやハンズオンをしてくださるゲストを呼ぶ
➢ YouTubeで中継
上から3つが優先的にやりたいことです.
最初に,”自然に囲まれた野外でLT大会”について紹介します.これは,広島の宮島や尾道などでLT大会をする企画のことです.地方だからこそ出来る贅沢なLT大会です.”インターネット回線が無い場所でIT技術について話し合うLT大会がしたい”という話もありました.一時は新型コロナウイルスの影響でこの企画は棚上げになりましたが,最近になって再度話題に上がっています.以前は,”自然豊かな綺麗な景色の中でIT技術について話し合うLT大会”という文脈でしたが,”感染リスクが低い自然豊かな換気100%の屋外でLT大会”という文脈で話題に上がっています.この企画を今考えることが出来るのは地方だからこそだと思っています.12月現在は屋外で開催するには寒いですが,少し暖かくなった時期にこの企画を具体的に考える予定です.
次に,”公式キャラクター作成”について紹介します.これは,Web会議ツールの壁紙からインスパイアされた企画です.あるビデオ会議ツールを使用しているときに,ビデオ会議ツールで使用できる壁紙を作ることは,新型コロナウイルスが流行する以前にステッカーを作成する意味と同等なのではないかというアイデアが浮かびました.そこで,せっかく壁紙を作るなら今後も使用できるキャラクターも一緒に作成するといいのではという考えに至りました.この企画は具体的に考え始めています.
最後に,”他の地方ITコミュニティと合同開催”について紹介します.Web会議ツール等で地方のITコミュニティのイベント会場と#hiro_itのイベント会場を繋いで開催をするという企画です.これに関しては以前から考えていますが,オンライン開催になった今でも可能な企画の1つだと思っています.#hiro_itは学生向けのITコミュニティで,勉強会初心者やIT初学者から特定の分野にとても詳しい人まで参加しており,分野はITと広く取っています.#hiro_itのConnpassや去年のAdvent Calendarを見ると分野の広さが分かると思います.#hiro_itは合同開催可能な地方ITコミュニティや勉強会を探していますが,合同開催をしていただけるITコミュニティや勉強会がありましたら,お声をかけていただけると嬉しいです.
お問い合わせ先
➢hiro.it.hiroshima 'at' gmail.com ('at'を@に置き換えてください)
➢Twitter:@hiro_it_h (#hiro_it 公式アカウント)
来年最初の勉強会の開催は,1月31日(日)14時からを予定しています.
以前参加してくださった方も,新しく参加してみようかなという方も大歓迎です.
本記事に最後までお付き合い頂き,ありがとうございました.