歴代運営者が#hiro_itと地方ITコミュニティについて対談してみた
初めまして,#hiro_it運営のちーぽんです.「第二弾 地方IT勉強会 Advent Calendar 2019 - Adventar」にお誘い頂き,21日目の記事として本記事を書くことになりました.運営メンバーで力を合わせて書いた力作(!)なので,少々長いですが最後までお楽しみ頂ければと思います.
本記事の構成
- #hiro_itこれまでの発表内容 byハシダさん
- #hiro_itこれまでの挑戦 byハシダさん
- #hiro_it歴代運営メンバーによる対談
(#hiro_itのこれまで,地方ITコミュニティ,#hiro_itのこれからに対する思い)
- #hiro_it の今後について byハシダさん
- 最後に
#hiro_it これまでの発表内容
- これまでの発表 LT編
➢ 型システム
➢ PaintsChainer
➢ 国際会議にいこう
➢ インターンシップレポート
➢ 自動車に対するなりすまし攻撃の脅威
➢ 自作プログラミング言語
➢ ソーシャルハック
➢ 深層学習フレームワークKeras使ってみた
➢ データ復旧はなぜ出来る?
➢ tf-pose-estimatorを使ってみた
➢ 感情推定に用いる代表的な感情モデルの紹介
➢ ミニキャン福岡の振り返り
- これまでの発表 ハンズオン編
➢ WiFiのパスワード解析
➢ セキュアなWebアプリの作り方
➢ 自動車セキュリティ
#hiro_it これまでの挑戦
- 勉強会の名目を変更したこと
➢ 「ひろしま学生 IT 勉強会」から「#hiro_it」へ
☆ハッシュタグを活用することで Twitter 上で認識されやすいように
☆ 簡単な名前にすることで覚えやすく!
- LINE のオープンチャットを活用
➢ より広い参加者を募るため
➢ よりかかわりのあるコミュニティの形成
➢ 勉強会等の告知
- 大学外の貸スペースを利用し,より参加しやすい場所への移動
➢ これまで,広島市立大学の学生が行っていたため,大学内で勉強会を開催できていたが,大学まで来ることが困難
➢ より参加しやすいよう,大きな駅の近くで貸スペースを利用,開催した
- ハンズオン枠/LT 枠だけでなく,新たな枠組みを開催
➢ 展示枠として,これまで作成したものを展示する枠を設定した
【勉強会の名前を変更 】
#hiro_itは以前まで「ひろしま学生IT勉強会」という名前で勉強会を開催していました.
しかし,名前が長いこと,また,すこし複雑に感じてしまうことから覚えられにくいなどが言われていました.そこで,第11回目からTwitter上で使っていた「#hiro_it」として勉強会の名前を変更しました.理由としては,短く,覚えやすくなるように,また,「#」(ハッシュタグ)を使うことでTwitter上での情報発信や参加者同士で交流しやすくなるなどがあります.実際にTwitter上に勉強会への感想などを投稿していただいたときにハッシュタグをつけてくれる人が増え,それらに反応してくれるユーザの方も見られるようになりました.(#hiro_it - Twitter Search)現在は勉強会名としてだけでなく,コミュニティ名として使えるようになりました.
【オープンチャットの利用 】
勉強会だけでなくコミュニティの活動として,LINEが提供する「オープンチャット」を利用し,「広島のIT学生コミュニティ#hiro_it」というオープンチャットを立ち上げ,参加者同士の交流や新しい技術の報告,勉強会の告知など行えるような場所を作りました.(オープンチャットは個人を匿名化し,グループ内でのトークと同様に使用することができます.)#hiro_itはどんなことをしているのか,勉強会はどんな雰囲気なのかなどの情報を提供する場所,それとは別に,ご参加いただいたユーザの皆様の交流の場所として公開しています.現在は,およそ20名ほどの方にご参加いただいております.今後も#hiro_itとかかわりのある方,この勉強会に興味を持っていただいた方など,より多くの方に活用していただければと思います!
【開催場所の変更 】
#hiro_itは最近まで広島市立大学内の教室を借りて勉強会を開催していました.これもこの大学の学生が勉強会の主催をしていたからなのですが,実は広島市立大学は交通の便が悪く,参加したくても場所的に行けないなどの問題がありました.そのため,より参加しやすくするため,大きな駅の近くで勉強会を開催しました.実際に参加された皆様には「参加しやすかった」「アクセスが良い」などの声も聴いております.
【新たな発表者枠の設定 】
#hiro_itは勉強会を開催する際,LT枠とハンズオン枠を募集しています.ただ,それだけだと面白くないので,第21回のときに新たに「展示枠」の募集を行いました.これは,これまでに作ってきたもの,開発してみたものなどを実際に持ち込んでいただき,参加者の皆様に展示していただく企画でした.実際に行われた展示としては「Cコンパイラhoc_nyanによるオンラインコンパイラもどき」(発表者:takoeight0821様),「ラジコンで遊んで,無線セキュリティに触れよう!!」(発表者:akimalu)が行われました.それぞれの展示物で実際に動かしていただき,参加者の皆様に説明,実際に動かしていただきました.今後も, #hiro_it では新たな企画にもどんどん挑戦していきたいと思います !
#hiro_it 歴代運営メンバーによる対談
対談メンバー
- いえひさん(#hiro_itの前身「ひろしま学生IT勉強会」創設者,2017年11月~2018年3月)
- オマガリさん(2代目運営,2018年4月~2019年3月)
- ハシダさん(3代目運営,2019年4月~2019年11月)
- ちーぽん(4代目運営,2019年12月~)
【#hiro_itのこれまでと地方コミュニティについて 】
オマガリさん:#hiro_itの今までを振り返るといえひさんがこれを立ち上げたのが最初だと思うんですけど,なんで#hiro_itを立ち上げたんですか?
いえひさん:元々#hiro_itの1年半くらい前に対象が中学生・高校生の「(いちだい)プログラミング教室」というのを立ち上げました.その活動を通してITに興味のある人を見つけていく中で,大学生の中にもやる気があっても活動している人は少なく,(やる気のある人を)見つけるだけでなく,その先の「つなげる」という活動をするために#hiro_itを立ち上げました.
オマガリさん:なるほど.僕はいえひさんから活動を引き継いで,最初はなんとなくこの活動を続けたいなと思って続けていました.参加者数があまり集まらない時もあったのですが,それでも何が何でも続けてやると思っていました.この活動を続けながら就職活動もあり,業界を見たり東京に行ったりして,さらに東京にある色んなセキュリティのイベントにも参加してみたりして,イベントって東京に集まりがちだと思いました.ただ,東京に来ている人を見ていると,関東圏の人はもちろん多いですが,地方の人も結構居て,その人たちが「地方に勉強会が無い」と言っていました.勉強会があっても,数が少なく,関東圏に居る人と地方に居る人の格差が凄いと思います.関東圏の人たちは明日予定が空いたから勉強会に行くという形で行けてしまうのに,地方の人だとそういう訳にはいかないケースが多いと思います.関東圏で行われている勉強会が地方で行われていたら,関東圏にいく必要がないと思うので,「地方に」ITコミュニティがあるというのは意味があると思っています.
ハシダさん:僕が#hiro_itに参加したのが2018年の4月からなのですが,その時オマガリさんに誘われて,勉強会に参加するようになりました.その後継続してオマガリさんが運営をしていて,東京に就職ということで「(運営を)やってくれませんか?」ということを依頼されたので,2019年4月から僕が運営をして動いていました.引き続いだ理由としては,地方でイベントがあるのは良いという考えが近く,せっかくここまでつなげたのに潰してしまうのは嫌だと思ったからです.継続していく中で参加人数が少なくなる時もありましたが,新しい人がどんどん来てくれるようになって,最近では10人超えた時もあったので,やりがいを感じていました.僕も東京に行くので,次の人(ちーぽん)に任せてしまうのですが…(笑)
オマガリさん:何か地方で勉強会開いていた人たちが東京に行くって,皮肉ですね.でも僕は,東京でやりたいことが全部できたら,地方に行こうとは思っていますよ.
ちーぽん:#hiro_itは学生がターゲットで,地方で開催されているっていうのが良いと思います.学生はあまり移動できなくて関東の勉強会に行けないんですよ.
オマガリさん:確かに,地方と都市部(東京や大阪など)の学生で格差は結構感じるんですよね.
いえひさん:地方の人で,都市部と地方に格差があることを知らない人が多すぎる気がする.都市部には地方に無いチャンスがたくさん広がっている.都市部は凄いんだぞっていうのを地方の学生に広める場として,#hiro_itは有効活用出来そう.
オマガリさん:それに,都市部で勉強会を開いて地方の人が来るよりも,地方で勉強会を開いて都市部の人が来る現象の方が面白いし意味があると思う.
いえひさん:そっちの方がいいよね.ちょっと遠いけどあの勉強会に出たいから行こうかなみたいな.
オマガリさん:各地で勉強会とかコミュニティをやりたい.
いえひさん:地方の他の勉強会同士が繋がって,合同開催とかは面白いのかなと思う.
オマガリさん:他の勉強会とは繋がるのは普通にありだよね.
ハシダさん:僕がメインで開催していたときは,大学でやっていたから大学内の人が結構反応してくれたので,そういう意味でも地方でやるのは大事だと思う.
【“IT”コミュニティについて 】
オマガリさん:セキュリティ系のコミュニティや機械学習系のコミュニティのような括りではなくて,“IT”コミュニティっていう感じにしていることに関してはどう思いますか?
いえひさん:地方で開催する分には,勉強会が少ないから大きな括りの方がいいのかなと思っている.都市部だといっぱいあるから差別化のためにも範囲を絞ってやってもいいとは思うけど.それで,#hiro_itも最初はIT全般っていう感じにした.人集めが難しいっていうこともあって,あまり絞らずにした.
ハシダさん:幅広い範囲でやった方が,個々のニーズには無かったとしてもコミュニティとしては需要があるのかなと思っているので,特定の分野に絞ってしまうとあまり興味を持ってくれなくなるのかなって思っています.
オマガリさん:#hiro_itで一瞬出た案としては#hiro_itから派生した特定の分野のコミュニティを作って, #hiro_itを中心として,周りに配置するといいのでは?という話は出ましたよね.
ハシダさん:一瞬出たよね.そういうのはあった方がいいなとは思う.
いえひさん:これ東京にも無いよねっていうぐらい絞れば広島だけでは集まらなくても他の場所から来てくれるんじゃないかな?
オマガリさん:なるほど,どこでも開かれていないぐらいニッチにするっていうことか.
ハシダさん:そういうの結構面白そうですよね.あまり開かれていないものを開いてみるっていうのはありかなと思う.
オマガリさん:開かれていないけど需要はあるだろうみたいなツボを探すっていうことですね.僕は,“IT”っていう広さが結構重要だと思うんですよ.セキュリティとか機械学習っていう分野 があるのは,“セキュリティ”とか“機械学習”っていう言葉があるからだと思うんですよ.その言葉が無ければ,各分野が担う範囲は広いからもっと細分化されているはず.一方で,特定の分野の勉強や研究をやろうとしても分野をまたがった知識が必要になることも多い.分野の名前があるだけで勉強や研究になるとその名前に意味は無くなる.そういう状況で,特定の分野の勉強会は多いけど分野をまたがることが出来る勉強会が少ない.分野をまたがる瞬間はこれから増えていくと思うから,“IT”っていう枠が重要なのかなって思う. 自分で勉強や研究をしていて,他分野の知識が必要になったときに頼れる人がコミュニティにいたらいいじゃないですか.
ちーぽん:幅広いITコミュニティとして活動を続けていって,そこで繋がった人達がもっと細分化されたコミュニティを作ろうってなるのが一番いい形になると思います.
【今後の#hiro_itについて 】
オマガリさん:今後について思っていることとかどうですか?
ハシダさん:今後については,ちーぽんさんかな?
ちーぽん:運営の人が代替わりしているように,参加してくれる人の構成もちょっとずつ変わってきているのが,これからも変わり続けるとは思うんですけど,そこで,どうやってこのコミュニティを広げていくかを今一番考えていますね.
今はカテゴリ的に (勉強会のLTの内容が)3 つぐらい(セキュリティ・プログラミング言語,機械学習)だと思うんですけど,それも,もし広げられる人がいるんだったら,お願いしたいです.あとは,地方でやっているっていうことで,#hiro_it から優秀な人が関東へ行くのでもいいと思うし,関東の人が#hiro_it へ参加するでもいいと思うので,地方でやっているということに課題(地方と関東圏の格差の)解決のような意義を持ちつつ,外へ向けてもやっていけたらと思います.
#hiro_it の今後について
⚫ #hiro_it のコミュニティを広げていきたい.
➢ これらはどうやって広げていくのかが重要
⚫ コミュニティを広げるために,外部の人とのつながりを.
➢ #hiro_it から外へ,もしくは外から#hiro_it への流れ
➢ 課題(地方と関東との勉強会としての格差)解決に注力
➢ これを保ちつつ,外部に向けてやっていきたい.
⚫運営メンバーで考えているやりたいことリストの実現化
➢ 学生の参加費無料化
➢ 他大学への出張イベント
➢ サーバー貸し出し
➢ステッカー作成
➢ 専用の参加応募ページ(ホームページ)の作成
➢ OriHime(遠隔参加支援システム)の使用
➢ 自然に囲まれた野外でLT大会
➢ 他イベントに出展
➢ 活動報告ブログ
➢ 企業などからLTやハンズオンをしてくださるゲストを呼ぶ
➢ YouTubeで中継
最後に
#hiro_itはSkype参加も可能な広島のIT学生を中心としたコミュニティです.次回の#hiro_it 開催は1/11(土)を予定しています.イベント詳細は第22回 #hiro_it(1/11開催) - connpassに掲載済みです.ぜひご参加ください!
今後とも,#hiro_itをよろしくお願いします!